聴き取る力
弁護士に必要される能力のひとつに,「聴き取る力」があります。
相談者や依頼者は,10のことを経験していても,それを全部話してくれるわけではありません。
自分で必要と判断したことや,自分に有利なことだけを選んで,弁護士に話してくれます。
それは,10のうち,3か4くらいの情報でしかありません。
だから,それを聞いた弁護士は,それだけの情報をもとに法的判断をしてはなりません。
他に必要な情報が隠れていないか,相談者に不利益な事実もあるのではないかと,
さらに聞き取りを続ける必要があります。
弁護活動を進めていってしばらくした後に,新しい情報がでてきたとき,
「何で前もって言ってくれなかったの。」と依頼者を責めることは許されません。
依頼者にとってみれば,「そんなことは聞かれなかったから。」です。
この「聴き取る力」は,一朝一夕では身につきません。
だから私は,日々の法律相談の中で,精一杯相談者の話に耳を傾け,質問をする中で,自分自身の聴き取る力も磨いていこうとがんばってます。
ちなみに,私の法律相談が長い理由はここなんです…(汗)
次の方を待たせないようにだけはしています(^^)
(Photo by (c)Tomo.Yun ,http://www.yunphoto.net)